領域発足にあたり

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  • 領域代表 A02班 東工大資源研
    教授

    福島 孝典

電子・光物性、磁性などの根源となるπ電子をもつ分子は、基礎化学はもとより、物質科学から生命科学に至る広い分野において、極めて重要な役割を果たしてきました。最近では、π電子系物質に関する研究から、有機エレクトロニクスというイノベーションが起こりました。その源流は1950年代の赤松・井口・松永らによる有機半導体の発見にあり、その後、白川らによる導電性高分子の発見など、数々の革新的研究を経て、1980年代に有機デバイスが初めて誕生しました。それから約30年が経った今、π電子系科学は次なるステージに立つべき時を迎えています。

歴史的にブレークスルーをもたらした機能分子には、シンプルで均整のとれた構造美があります。本領域では、π電子に固有な電子・光物性、磁性などの電子機能 (Intrinsic-π機能) に加え、
運動性 (Dynamic-π機能) 
や摩擦・粘弾性などの
機械的特性 (Elastic-π機能) といった、分子・分子集合体のダイナミズムを含めた新たな視点からπ電子機能を捉えます。これら三つの機能について、構造美を物質設計の基本として、高い設計自由度をもつ分子性物質で具現化します。本領域では、「π造形」という言葉に込めた設計理念に基づき、新物質・新機能の創出と新現象発掘を目指します。

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